「ミンガラーバー」
これは、日本語でいうと「こんにちは」にあたる挨拶である。
だが、親しいミャンマー人同士では、「こんにちは」という挨拶よりも、
「ごはんを食べましたか」と声かけすることが多い。
ビルマ族をはじめ、カレン族、シャン族など、さまざまな民族が暮らすミャンマー。
都市部や国境地帯にはインド・バングラ系や中国系の人々も多く、
まさに多民族国家であり、その影響は食文化にも表れている。
そんなミャンマーでは宗教的な理由から、
菜食主義であったり、四足のものを食べなかったりといった人も多い。
また農業が盛んで、田舎では牛を使って畑を耕し、
物を運ぶことなどから、牛を食用ではなく、
「大切な相棒」と考える人もいる。
さらに興味深いのは、牛肉を食べると、
家庭不和など、災いが起こると考える人が多いことである。
これは、仏教というよりアニミズム(精霊信仰)に近いものであろう。
また、朝早く、まだ薄暗いうちから家の前に出て、
僧侶に食べ物を捧げる人々の姿を見かけることがある。
托鉢である。
昔には見知らぬ旅人でも、食糧や寝床を提供したというミャンマーの人々。
そのこころからか、知り合いの家に立ち寄ったら
ごはん食べていって、と思わずもてなされることも。
日本の「おもてなし」に通ずるものがあるように思う。
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